2011年08月06日

ドメインと商標権と不正競争防止法 その1  ドメインと商標権

 もしも、自分が登録した商標が他人にインターネットのドメイン(例えば「YYY.com」のようなインターネット上のコンピュータやネットワークを識別する、住所のようなもの)として使われたらどうなるのか?
 他人の登録商標をドメインとして使うとどうなるのか?


 以下、「インターネット空間における商標問題 ドメイン名の差し止めを中心として 平成19年度産業財産権研究推進事業報告書」(平成20年3月 財団法人知的財産研究所 以下、「報告書」と記載)より、日本国内の法的なことについて、要点をまとめてみました。
 (詳細やアメリカの法令について知りたい方は、http://kihan.ciao.jp/genon/bookdetail.php?no=21426609 に表示された報告書の本文を御確認下さい)



<ドメイン名の商標権と関連する法的な扱いは? 商標権とは何か?>


1.ドメインの法的な扱いは?

 報告書によると・・・

・商標法では、ドメインの定義規定はない。

・不正競争防止法2条9条において、ドメイン名は、「インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる番号、記号又は文字の組み合わせに対応する文字、番号、記号、その他符号又はこれらの結合をいう」と定義されている。

・ドメイン名登録者は、「ドメイン名権」といった商標権のような排他的使用権はない。


 ちなみに自分が考えたドメイン名を使うためには、ドメイン名登録機関へ登録申請しなければいけません。


2. 商標とは何か?

 商標の定義は、商標法第2条に規定されています。
 法文によると・・・

 商標法第二条  この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて、次に掲げるものをいう。
一  業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二  業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)


 商標法第2条の「業として」の意味は、報告書に以下のように記載されていました。

 商標法2条1項のいう商標とは、「業として商品又は役務について使用するもの」である。
 「業として」は、「一定の目的の下に継続・反復して行う好意として」であり、営利目的の行為であることを要しない(通説)。


 商標法18条には、「商標権は特許庁への商標設定登録により発生する」と書かれています。
 つまり、特許庁へ商標設定登録されていなければ、商標権を得られません。


 商標の登録により商標権を持った人は、侵害の停止または予防を請求することできます(商標法36条1項)。
 商標の侵害とみなす行為は、商標法37条に書かれています。

第三十七条  次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。
一  指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用
二  指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であつて、その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡、引渡し又は輸出のために所持する行為
三  指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為
四  指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為
五  指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為
六  指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為
七  指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為
八  登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為


 商標権侵害の要件は何か?
 これについては、報告書に次のように記載されていました。

 商標権侵害の要件としては、登録商標と同一又は類似の商標が、指定商品・役務に同一類似する商品・役務について使用されていることであって、混同のおそれを主張、立証する必要はない。
 商品や役務を指定する際には、経済産業省令で定められた商品及び役務の区分い従い、商品及び役務を指定する(商標法6条2項、同法施行令1条)。



<ドメイン名をどのように使うと、商標権侵害にあたるか?>

 では、どのようなドメイン名の使い方が商標権侵害になるのでしょうか?
 ドメイン名が商標に該当するケースが報告書に書かれていました。


・ドメインが商標法37条の商標権侵害になるためには、「使用」が要件になる(登録しただけでは侵害したとは言えない)。

・ 商標法上は「指定商品もしくは指定役務について」使用することが要件となっていることから、他人の同一類似登録商標を同一類似しない指定商品のもとで使用していれば、商標を侵害していることにはならない。


 「商標法上の類否」(商標を出願した後の実体審査で、先に登録された他人の商標と同一類似の判断をする場合)については、その基準が「商標審査基準 九、第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)」(http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyou_kijun/20_4-1-11.pdf)に詳しく掲載されています。



(次回「その2 ドメインと不正競争防止法」(改題)に続く)
posted by NEDS at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 商標権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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