最近、「モノからコトへ」、「モノのサービス化」、「マスカスタマイゼーション」、「モノのサービス移行」、「モノのサービス武装」などの言葉を頻繁に耳にするようになりました。
「産業構造の変化」、「産業生態系の変化」といった言葉もあり、その背景には情報通信技術の発達と技術の普及があるとされています。
では、「モノからコト」へと産業構造が変化した場合、それに伴い知財はどのように変化するのか?
この問題を考えるためのヒントになる記事が、知財管理の2015年8月号に掲載されていました。
「モノ」から「コト」変化する競争源泉における知財マネジメントの研究
マネジメント第2委員会 第2小委員会
知財管理 2015年8月号(Vol.65 No.8 P1058-1071)
商品の製造・販売を行う事業に加え、その商品を利用するユーザーへサービスを提供するビジネスに参入する場合、知財の面からどのような対応を行うか? を考えるためのヒントになる記事ですが、地域の特産品の農水産物の場合でも、応用ができそうな気がします。
この記事では、
・ 商品の概要
・(自社商品を活用した)「コト」作りのポイント。
・ 知財関連のポイント。
の3点について、5つの商品の事例がまとめられています。
紹介されている商品は、IKI+、ネットワーク型家庭用植物場、KOMRAX、QRコード、VOCALOIDと分野は様々です。
しかし、記事を読み解くと、メーカーやベンダーが目指す「コト」には、「ユーザー個人の体験や成果の共有」という、共通点が見えてきます。
さらに「ユーザーが商品やサービスを使用して生まれた体験や成果を、ITを活用して他者と共有する。」という共通点も見えてきます。
では、「ユーザーの体験や成果を共有する「コト」で 活用できる知財の例とは・・・?
それは、記事に書かれている公報番号から特許文献を閲覧したり、「コト」を保護できるシステムの知財について検討したりして、考えてみて下さい。
記事には書かれていませんが、サービスの出所の識別等を目的とした商標の活用も、「モノからコトへ」を目指すときに活用できる知財だと思います。